ファイナンシャルプランナー2級資格受験のポイント考察

ファイナンシャルプランナー2級

ファイナンシャルプランナー(FP)は、個人や企業のお金に関するアドバイスを行う専門家です。FP2級資格を取得することで、より高度な知識と技能を身につけることができます。今回は、FP2級試験の出題範囲と、3級から2級へのステップアップ時に新たに学ぶべき項目について詳しく解説します。

FP2級の試験は、以下の6つの分野から出題されます。それぞれの分野について簡単に紹介します。

A.ライフプランニングと資金計画

    • 概要: 人生の各ステージ(結婚・出産→マイホーム取得→教育費→老後)における資金計画や生活設計を行います。人生の3大資金といわれる「教育資金」「住宅資金」「老後資金」を軸として、年金制度や教育資金、社会保険、老後の生活設計などが含まれます。
    • 具体例: 公的年金の計算、教育資金の積み立て方法、社会保険の種類としくみ、ライフイベントに応じた資金計画の立案。

B.リスク管理

    • 概要: 各種保険(生命保険、損害保険など)を利用したリスクマネジメントについて学びます。
    • 具体例: 生命保険や医療保険の種類と特徴、リスク評価と保険商品の選定方法。

C.金融資産運用

    • 概要: 株式、債券、投資信託などの金融商品を用いた資産運用の方法と戦略を学びます。
    • 具体例: ポートフォリオ理論、リスクとリターンの関係、各種金融商品の特性と選定方法。

D.タックスプランニング

    • 概要: 税金の基礎知識と、税制を活用した資産管理の方法を学びます。
    • 具体例: 所得税の計算、税額控除の種類と適用方法、相続税・贈与税の基礎知識。

E.不動産

    • 概要: 不動産の評価と登記、不動産取引、不動産の税金、不動産の有効活用と投資判断などについて学びます
    • 具体例: 不動産の4つの公的価格について、不動産の売買契約、借地借家法などの法律との関連、一般的な不動産の税金、不動産投資のメリットとデメリット、不動産投資判断のための手法のポイントなど

F.相続・事業承継

    • 概要: 相続や事業承継に関する法律や税務の知識を学びます。
    • 具体例: 相続人と相続分、遺言書の作成方法、相続税の計算と財産評価、事業承継計画の立案。

3級から増える範囲について

日本FP協会が公開している試験範囲について、3級と2級を比較すると、以下の赤字部分が2級で増えている項目となります。同じ範囲の箇所でも、より深掘りしてくるのは言うまでもありません。

全体的には、法人に関する項目や、個人事業主が相続する際のルールが増えている印象です。

A ライフプランニングと資金計画
  1. ファイナンシャル・プランニングと倫理
  2. ファイナンシャル・プランニングと関連法規
  3. ライフプランニングの考え方・手法
  4. 社会保険
  5. 公的年金
  6. 企業年金・個人年金等
  7. 年金と税金
  8. ライフプラン策定上の資金計画
  9. 中小法人の資金計画
  10. ローンとカード
  11. ライフプランニングと資金計画の最新の動向

中小法人の資金計画について、出題範囲が増えています。企業の成長や安定運営のための資金調達計画、企業の財務状況の把握、分析などが新たに覚える内容となります。

B リスク管理

  1. リスクマネジメント
  2. 保険制度全般
  3. 生命保険
  4. 損害保険
  5. 第三分野の保険
  6. リスク管理と保険
  7. リスク管理の最新の動向

範囲として増えているものはありませんが、生命保険に関して、個人契約に加えて、法人契約の生命保険の経費処理という点が、3級にはなかった範囲です。

C 金融資産運用

  1. マーケット環境の理解
  2. 預貯金・金融類似商品等
  3. 投資信託
  4. 債券投資
  5. 株式投資
  6. 外貨建商品
  7. 保険商品
  8. 金融派生商品
  9. ポートフォリオ運用
  10. 金融商品と税金
  11. セーフティネット
  12. 関連法規
  13. 金融資産運用の最新の動向
基本的に3級と同じ範囲なのですが、覚えるキーワードが多くなったり、デリバティブ取引については、より細かい知識を問われるようです。

D タックスプランニング

  1. わが国の税制
  2. 所得税の仕組み
  3. 各種所得の内容
  4. 損益通算
  5. 所得控除
  6. 税額控除
  7. 所得税の申告と納付
  8. 個人住民税
  9. 個人事業税
  10. 法人税
  11. 法人住民税
  12. 法人事業税
  13. 消費税
  14. 会社、役員間および会社間の税務
  15. 決算書と法人税申告書
  16. 諸外国の税制度
  17. タックスプランニングの最新の動向
タックスプランニングにおいては、3級からの増分が最も多い分野となります。法人税関連や消費税関連など、扱う税金の種類が多い上に、会社と役員の関係など不正防止のためのルールの理解も必要です。諸外国の税制度という範囲も増えていますが、今のところそれに関連する問題は見かけないので、重要度は低いかもしれません。今後の勉強で出てきた際には紹介したいと思います。

E 不動産

  1. 不動産の見方
  2. 不動産の取引
  3. 不動産に関する法令上の規制
  4. 不動産の取得・保有に係る税金
  5. 不動産の譲渡に係る税金
  6. 不動産の賃貸
  7. 不動産の有効活用
  8. 不動産の証券化
  9. 不動産の最新の動向

不動産分野も、基本的に3級から増える範囲はありません。借地借家法の細かい内容や、不動産に関する税金の細かい特例などをしっかり抑える必要があります。2級では、「不動産投資の収益性」で、3級になかったキーワードが多めに出てきます。

F 相続・事業承継

  1. 贈与と法律
  2. 贈与と税金
  3. 相続と法律
  4. 相続と税金
  5. 相続財産の評価(不動産以外)
  6. 相続財産の評価(不動産)
  7. 不動産の相続対策
  8. 相続と保険の活用
  9. 事業承継対策
  10. 事業と経営
  11. 相続・事業承継の最新の動向

相続・事業継承分野については、9−11の事業継承関連が、3級に比べて増えています。個人事業などを継承する際のルールなどが増えています。

以上のように、「3級の知識の深堀り」と「2級で増えている部分」を意識しながら進めると、頭の中が整理できるのではないかと目論んでいます。

実技試験について

3級の実技試験

関連業法との関係及び職業上の倫理を踏まえたファイナンシャル・プランニング
ファイナンシャル・プランニングのプロセス
顧客のファイナンス状況の分析と評価

2級の実技試験

関連業法との関係及び職業上の倫理を踏まえたファイナンシャル・プランニング
ファイナンシャル・プランニングのプロセス
顧客のファイナンス状況の分析と評価
プランの検討・作成と提示

2級では「プランの検討・作成と提示」という項目が増えています。こちらについては、今後の勉強で確認していくことにします。

つぎからは、個別の分野ごとに勉強していきたいと思います。

 

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