FP2級試験で頻出の相続分野から、法定相続分、遺産分割の種類、相続の承認や放棄の仕組みについて、試験に役立つポイントをわかりやすくまとめました。
法定相続分とは?
法定相続分とは、遺言がない場合に民法で定められた財産分割の割合です。基本的な配分は以下の通りです。
相続人の組み合わせ | 配偶者 | 第1順位:子 | 第2順位:直系尊属(親) | 第3順位:兄弟姉妹 |
---|---|---|---|---|
配偶者と子供 | 1/2 | 1/2 | – | – |
配偶者と直系尊属 | 2/3 | – | 1/3 | – |
配偶者と兄弟姉妹 | 3/4 | – | – | 1/4 |
配偶者がいない場合の配分のみ | – | (各順位で均等) | ← | ← |
注意点
- 同順位者の平等分配: 同順位の相続人が複数いる場合、その人数で平等に分配されます。
- 半血兄弟姉妹の相続分: 父親または母親が異なる兄弟姉妹は、父母が同じ兄弟姉妹の半分の相続分となります。
遺産分割
相続財産は相続人の共有財産としてスタートしますが、最終的には分割して個人に割り振ります。遺産分割の方法には以下の4つの種類があります。
遺産分割方法 | 説明 |
---|---|
指定分割 | 被相続人の遺言に基づき、各相続人の分割内容を決定します。 |
協議分割 | 相続人全員が話し合いで分割方法を決定します。法定相続分に従う必要はなく、全員の合意があれば自由です。 |
調停分割 | 協議が成立しない場合、家庭裁判所の調停で分割方法を決定します。 |
審判分割 | 調停でも解決しない場合、家庭裁判所が最終的に分割方法を決定します。 |
遺産分割の方法
分割方法にはいくつかの形があり、財産の種類や相続人の希望に応じて適用されます。
遺産分割の方法 | 説明 |
---|---|
現物分割 | 財産をそのままの形で分割します(例: 家を配偶者、現金を子供など)。 |
換価分割 | 財産を売却して現金化し、その現金を相続人に分割します。 |
代償分割 | 特定の相続人が財産(例: 家や株)を取得し、その代わりに他の相続人に現金などを支払います。 |
遺産分割協議書
遺産分割協議書は、遺産分割の協議結果を記載した書類で、相続人全員の署名と押印が必要です。以下の点に注意が必要です。
- 書式自由: 特に定められた書式はなく、自由に記載できます。
- 分割回数: 必要に応じて複数回に分けて分割することができます。
- 期限なし: 遺産分割の期限はありませんが、特定の相続税控除などを適用する場合は早めの手続きが望ましいです。
相続の承認と放棄
相続は、相続人がその権利を承認または放棄することで対応が可能です。これにより負の遺産(借金等)からの免責や、相続内容の調整ができます。
承認・放棄の種類 | 説明 |
---|---|
単純承認 | プラス・マイナス含むすべての財産を相続します。 |
限定承認 | 相続する財産の範囲をプラスの財産内に限定します。家庭裁判所での手続きが必要です。 |
相続放棄 | 相続権を完全に放棄し、プラス・マイナスの財産を一切引き継ぎません。相続人単独で家庭裁判所に申請できます。 |
3ヶ月の期限
- 限定承認または放棄の申請期限: 相続開始を知ったときから3ヶ月以内に手続きが必要です。期限内に決定しないと単純承認とみなされます。
まとめ
FP2級試験で頻出の相続関連の基礎知識を整理しました。相続や遺産分割は家系図や法律上の優先順位に基づいて、相続人が協議で決められる点が重要です。
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