債券投資はFP2級試験に頻出する分野であり、基本的な用語やリスク管理をしっかり理解することが重要です。以下に、試験に出やすいポイントをまとめました。
債券とは?
債券は、国や地方公共団体、企業が資金を調達するために発行するもので、簡単に言えば「借金」の証書です。債券を購入することで、利息を得ることができます。
基本用語の整理
用語 | 説明 |
---|---|
額面金額 | 債券の基本単位で、通常100円で統一されます。 |
発行価格 | 債券が発行されるときの価格。額面金額と異なる場合があります。 |
償還 | 債券の満期に元本が返済されること。 |
表面利率(クーポンレート) | 債券の額面金額に対する毎年の利息の割合。 |
アンダーパー発行 | 発行価格が額面金額より低い場合。例えば90円で発行され、満期時に100円返済されるため、差額がキャピタルゲインとなります。 |
パー発行 | 額面100円当たり発行価格100円、つまりが苦満価格と同じ金額で発行されること |
オーバーパー発行 | 発行価格が額面金額より高い場合。例えば110円で発行され、満期時に100円返済されるため、利息が高く設定される傾向があります。 |
債券の償還と市場での売買
- 償還期限:債券が発行されてから元本が返済されるまでの期間。
- 市場取引:償還期限までに市場で債券を売買することも可能です。途中で売却する場合、発行価格とは異なる市場価格で取引されます。
個人向け国債の種類と特徴
個人向け国債とは、一般の個人だけが購入できる国債のことです。
特徴 | 変動10年 | 固定5年 | 固定3年 |
---|---|---|---|
償還期限 | 10年 | 5年 | 3年 |
金利の種類 | 変動金利 | 固定金利 | 固定金利 |
下限金利 | 0.05% | 0.05% | 0.05% |
利払い | 年2回 | 年2回 | 年2回 |
購入単価 | 1万円 | 1万円 | 1万円 |
中途換金可能期間 | 購入後1年経過後 | 購入後1年経過後 | 購入後1年経過後 |
特徴 | 市場金利に応じて変動 | 金利が一定で5年間固定 | 比較的短期間で償還 |
債券のリスク管理
債券にもいくつかのリスクがあります。これらのリスクを理解し、適切に管理することが重要です。
価格変動リスク=金利変動リスク
市場金利が変動することにより、債券の価格が変動するリスクです。特に、長期間の債券や表面利率が低い債券は、金利変動の影響を大きく受けやすいです。
- 市場の金利が上昇すると → 債券の価格下落、利回り上昇
- 市場の金利が低下すると → 債券の価格上昇、利回り低下
市場の金利、債券の価格、利回りは、それぞれ正反対の動きをするようですね
債券のデュレーション
デュレーションは、債券の価格が金利変動に対してどの程度影響を受けるかを示す指標です。特に、残存期間や表面利率がデュレーションに大きな影響を与えます。
デュレーションの基本概念
- デュレーションとは:債券のキャッシュフローの回収期間を平均して示すもので、金利が1%変動した際に債券価格が何%変動するかを予測するための指標です。単位は「年」です。
残存期間とデュレーションの関係
- 残存期間が長いほどデュレーションは長くなる:残存期間が長い債券ほど、将来のキャッシュフローが金利変動の影響を受けやすく、デュレーションも長くなります。長期間にわたって利息や元本を受け取るため、金利変動が全体の価格に与える影響が大きくなるためです。
表面利率とデュレーションの関係
- 表面利率が低いほどデュレーションは長くなる:表面利率が低い債券は、利息収入が少ないため、元本返済の影響が相対的に大きくなります。この結果、金利変動が価格に与える影響が大きくなり、デュレーションが長くなります。
デュレーションの活用
- ポートフォリオ管理:デュレーションを活用して、ポートフォリオ全体の金利リスクを調整します。金利が上昇すると予測される場合、デュレーションを短くすることでリスクを軽減します。
- 金利リスクのヘッジ:デュレーションを参考にして、金利変動に対するヘッジ戦略を策定することが可能です。
信用リスク
発行体の財務状況が悪化することで、利息の支払いが滞ったり、元本の返済ができなくなるリスクです。信用リスクを判断するためには、発行体の格付けを確認することが重要です。
格付け | 説明 |
---|---|
AAA | 非常に安全な投資先。 |
BBB | 投資適格範囲の最低ライン。 |
BB以下 | 投機的で、リスクが高いとされる。 |
その他のリスク
- 流動性リスク:市場での売買が難しくなるリスクです。取引量が少ないと、売却時に価格が大幅に下がる可能性があります。
- 為替変動リスク:外貨建ての債券を購入した場合、為替レートの変動により利益が変動するリスクです。
- 途中召喚リスク:発行体が予定より早く元本を返済することで、予定していた利回りを確保できなくなるリスクです。
学習ポイント
- 債券の基本概念とリスクをしっかり理解しましょう。
- 過去問を解きながら、計算問題や用語の意味を繰り返し確認しましょう。
- 個人向け国債の特徴やリスクを整理し、比較できるようにしておきましょう。
以上が、債券投資の基礎知識とリスク管理の要点です。FP2級試験に向けて、これらのポイントを押さえておきましょう。
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