【3分で解説!FP2級】金融資産運用~外貨建て金融商品のポイントまとめ

ファイナンシャルプランナー2級

外貨建て金融商品は、FP2級試験でも頻出の分野です。特に実技試験では計算問題が出題されるため、基本的な仕組みを理解し、重要なポイントを押さえておくことが大切です。本記事では、試験に出やすい外貨建て金融商品の特徴や注意点をまとめます。


1. 外貨建て金融商品とは?

外貨建て金融商品とは、日本円ではなく外国通貨(ドル、ユーロなど)で運用される金融商品のことを指します。代表的なものには以下のようなものがあります。

  • 外貨預金
  • 外国債券(外債)
  • 外貨建て投資信託(外貨MMF)
  • 外国為替証拠金取引(FX)

外貨建て金融商品のメリットとデメリットを整理すると、以下のようになります。

メリットデメリット
日本の低金利に比べて、高い利回りが期待できる為替レートの変動により、元本割れのリスクがある(為替リスク)
円安時に資産価値が上がる両替手数料や取引手数料がかかる
資産分散(リスクヘッジ)として有効預金保険制度の対象外(銀行破綻時の保証なし)

2. 為替レートの基本(TTS・TTB・TTM)

外貨取引を行う際には、為替レートが重要です。特に、TTS(Telegraphic Transfer Selling rate)とTTB(Telegraphic Transfer Buying rate)の違いを理解しておきましょう。

  • TTS(銀行の売値)円を外貨に両替するときのレート(円→外貨)
  • TTB(銀行の買値)外貨を円に両替するときのレート(外貨→円)
  • TTM(仲値):TTSとTTBの中間レート(基準レート)

TTSとTTBの覚え方

  • TTS(SellのS)銀行が外貨を「売る」
  • TTB(BuyのB)銀行が外貨を「買う」

例えば、100ドルを円に換算する場合:

  • TTS:1ドル=110円100ドルを買うために11,000円必要
  • TTB:1ドル=108円100ドルを円に戻すと10,800円

このように、円に戻す際のレート(TTB)の方が低いため、為替手数料の影響で損失が発生しやすいことに注意が必要です。


3. 主要な外貨建て金融商品の特徴

① 外貨預金

  • 特徴:外国通貨で預ける預金。普通預金と定期預金がある。
  • 金利:日本の預金より高金利のことが多い。
  • 注意点
    • 預金保険制度の対象外
    • 為替レートの変動によるリスク
    • 利子は利子所得として源泉分離課税(20.315%)
    • 為替差益は雑所得(総合課税 or 申告分離課税)
    • 為替差損は損益通算できない

② 外国債券(外債)

  • 特徴:外国政府や企業が発行する債券(国債、社債など)。
  • 主な種類
    • ショーグン債(全て外貨で取引)
    • サムライ債(全て円で取引)
    • デュアルカレンシー債(利払いと償還の通貨が異なる)
種類払い込み利払い償還
ショーグン債外貨外貨外貨
サムライ債
デュアルカレンシー債外貨
リバースデュアルカレンシー債外貨

注意点

  • 為替リスクがある
  • 債券の信用リスク(発行体の破綻リスク)
  • 利回りが高い債券ほどリスクも高い(例:新興国債券)

③ 外貨建て投資信託(外貨MMF)

  • 特徴:外国の短期金融資産で運用される投資信託。
  • メリット
    • 外貨建てで運用されるため、利回りが高い
    • 売買手数料が不要
  • デメリット
    • 為替リスクがある
    • 元本保証がない

④ 外国為替証拠金取引(FX)

  • 特徴:証拠金(担保)を預け、通貨の売買を行う投資。
  • メリット
    • レバレッジ(少額資金で大きな取引が可能)
    • スワップポイント(金利差による利益)
  • デメリット
    • レバレッジによるリスク(最大25倍)
    • 損失が大きくなりやすい
    • 短期間で大きな変動が起こる可能性がある


まとめ

外貨建て金融商品は、利回りの高さや資産分散のメリットがありますが、為替リスクや手数料の影響を受けやすい点に注意が必要です。特にFP2級試験では、TTS・TTBの計算問題や外債の種類について出題されるため、基本をしっかり押さえておきましょう。

【重要ポイントのおさらい】

TTS(銀行が外貨を売るレート)とTTB(銀行が外貨を買うレート)を理解する
外貨預金・外国債券・外貨MMF・FXの特徴を押さえる

試験対策として、過去問を繰り返し解きながら知識を定着させていきましょう!

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