FP2級試験を目指す皆さん、こんにちは。
クレジットカードやキャッシュレス決済は、日常的に使うものですが、支払方法の違いや法制度(総量規制など)を正しく理解できていますか?
便利な仕組みほど落とし穴があり、試験でも実務でも混同しやすいポイントです。
この記事では、「クレジットカードの支払方法」「キャッシングと総量規制」「キャッシュレス決済の種類と特徴」を中心に解説します。
FP試験対策はもちろん、日常生活のリテラシー向上にも役立つ内容です。
※本記事は2025年4月試験対応の法令を基準に作成しています。
クレジットカードと支払方法
クレジットカードは、カード会社が利用者に代わって立て替え払いを行い、後日利用者がカード会社へ返済する「後払い」の仕組みです。
支払い方法の違いによって、利息の発生有無や返済負担が変わる点に注意しましょう。
一括払い
最も基本的な支払方法です。
- 支払回数:1回
- 手数料:不要(利息なし)
- 特徴:利用額が翌月または翌々月に一括で引き落とされます。
→ 利用額を把握しやすく、家計管理がしやすい。
分割払い
複数回に分けて支払う方法です。
- 支払回数:2回〜36回など(カード会社による)
- 手数料:発生(分割手数料・実質年率で表示)※原則3回以上の分割で
- 特徴:回数が多いほど支払総額が増えます。
FP試験では、「分割払いには手数料が発生する」ことを確実に押さえましょう。
リボルビング払い(リボ払い)
毎月の支払額を一定に固定する方式です。
- 利息:元金残高に対して発生
- 特徴:返済期間が長期化しやすく、総支払額が増えやすい
- 注意点:元本がなかなか減らず、利用限度額を超えると追加利用ができなくなる
FP試験では、「リボ払い=利息が元金残高に対してかかる」という出題がよくあります。
日常的にも“便利な罠”として取り上げられるテーマなので、実感を持って理解しておくと良いでしょう。
カードの信用情報(与信管理)
クレジットカードの発行や利用には「信用情報」が関係します。
- 管理機関:CIC(株式会社シー・アイ・シー)など
- 登録内容:契約情報・支払状況・延滞履歴など
- 保有期間:契約中および契約終了後5年程度
延滞などの事故情報が登録されると、他社カード審査やローン申込に影響します。
FPとしては「与信の重み」を理解することも大切です。
キャッシングと総量規制
キャッシングは、クレジットカードを使って現金を借りる仕組みです。
- 利用限度額:10万円~50万円程度(契約により異なる)
- 利息:年率15~18%前後が一般的
- 返済方式:多くはリボルビング方式
利息制限法とは
キャッシングなどの金銭消費貸借契約には、利息制限法によって上限金利が定められています。
この上限を超える契約は超過部分が無効となり、債務者は返還を求めることができます。
上限金利は、借入額によって異なります。
借入金額 | 上限金利(年率) |
---|---|
10万円未満 | 20% |
10万円以上100万円未満 | 18% |
100万円以上 | 15% |
この法律は、消費者保護の観点から制定されており、貸金業法による総量規制(年収の3分の1ルール)とあわせて出題されることがあります。
総量規制とは
貸金業法に基づくルールで、「年収の3分の1を超える貸付は禁止」というものです。
対象は消費者金融・クレジットカードのキャッシング枠などで、銀行のカードローンは対象外です。
試験ポイント:
- 総量規制の上限 → 年収の3分の1
- 対象外 → 住宅ローン・自動車ローンなど
キャッシュレス決済の方法と特徴
キャッシュレス決済には複数の形態があります。
FP試験では、それぞれの「支払タイミング」と「引き落とし元資金」に注目して整理しましょう。
クレジットカード
- 支払方法:後払い
- 引き落とし元:カード会社(立替)
- 特徴:ポイント還元や分割払いなど多機能だが、使いすぎ注意。
デビットカード
- 支払方法:即時払い
- 引き落とし元:利用者の銀行口座
- 特徴:残高の範囲内で利用でき、使いすぎ防止になる。
→ 学生や新社会人にも向く支払い方法。
電子マネー・プリペイドカード
- 支払方法:前払い
- 引き落とし元:チャージ残高
- 代表例:Suica、楽天Edy、PayPayカードなど
- 特徴:少額決済に便利で、スマートフォンとの連携が進む。
試験によく出る比較表
決済手段 | 支払タイミング | 引き落とし元 | 特徴 |
---|---|---|---|
クレジットカード | 後払い | カード会社 | 利用額をまとめて支払い、ポイント制度あり |
デビットカード | 即時払い | 銀行口座 | 使いすぎ防止・審査なし |
電子マネー/プリペイド | 前払い | チャージ残高 | 少額・スピーディー・スマホ決済と相性◎ |
まとめ
クレジットカードやキャッシュレス決済は、生活を便利にする一方で、仕組みを誤解するとトラブルの原因になります。
FPとしては、
- 支払タイミング
- 利息や手数料の発生条件
- 信用情報の扱い
これらを正しく説明できるようにすることが重要です。
試験でも、実務でも、「便利だから使う」ではなく「仕組みを理解して活かす」視点を身につけましょう。
コメント