【3分で解説!FP2級】ライフプランニングと資金計画 年金 遺族年金

ファイナンシャルプランナー2級
  • 寡婦加算と中高齢寡婦加算、よく似た二つの違いわかりますか?
  • 遺族基礎年金、遺族厚生年金それぞれの受給遺族の範囲整理できていますか?

FP2級の資格を目指す方にとって、年金の分野は避けて通れない重要なテーマです。特に「遺族年金」に関する知識は、試験において頻出項目です。このブログでは、寡婦加算と中高齢寡婦加算の違いや、遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給範囲について、わかりやすく整理して解説します。一緒に理解を深め、合格を目指しましょう!

遺族基礎年金

遺族基礎年金は、以下のいずれかの条件を満たす方が死亡した際に、その遺族が受け取れる年金です。

  1. 国民年金の被保険者
  2. 国民年金の被保険者であった者で、国内に住んでいる60歳以上65歳未満の者
  3. 老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある者

保険料納付済期間が被保険者期間の3分の2以上であることが条件です。ただし、特例として直近1年間に保険料未納期間がない場合(死亡日に65歳未満)も含まれます。

2は、国民年金の被保険者ではないですが、まだ年金をもらっていない状態の一です。ですので、この方が亡くなったときにも、遺族には年金がもらえます。

遺族基礎年金を受給できる遺族の範囲

遺族基礎年金は、残された子どもの養育費を目的としており、子どもがいない場合は支給されません。

  • 生計を維持されていた子のある配偶者、または子どもが対象です。
  • 18歳未満、または20歳未満で障害等級1級、2級の子ども
  • 結婚している子どもは遺族基礎年金を受給できません(結婚は18歳以上になったので今は気にしないでよい要件になりました)。

遺族基礎年金を受給している配偶者が再婚した場合、以降は遺族基礎年金を受給できません。

遺族基礎年金の年金額

老齢基礎年金の満額に、子の加算額が加わります(2人目まで、3人目以降で金額が変わります)。

寡婦年金と死亡一時金

国民年金の第1号被保険者には独自の給付制度があります。

寡婦年金

  • 受給資格期間(10年以上)を満たした夫が年金を受け取らずに死亡した場合、10年以上の婚姻期間があった妻に60歳から65歳までの間に支給されます。

基礎年金は保険料を払うか、年金をもらうかのどちらかです。60歳までは保険料を払う期間です。年金を払い終わって、自分の年金をもらうまでの期間を埋めるのが寡婦年金と考えます。

  • 妻が老齢基礎年金の繰り上げ受給をすると支給されません(2重にはもらえません)。

死亡一時金

  • 受給資格期間が3年以上ある人が年金を受け取らずに死亡した場合、生計を同じくしていた遺族(配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹)に支給されます(死亡一時金の場合は兄弟姉妹も対象になります)
  • 寡婦年金と死亡一時金は、どちらか一方を選択することになっています。

遺族厚生年金

遺族厚生年金は、以下のいずれかの条件を満たす方が死亡した際に、その遺族が受け取れる年金です。

  1. 厚生年金の被保険者が死亡したとき(保険料納付済期間が3分の2以上、直近1年間未納ないこと
  2. 被保険者期間中の傷病が原因で初診日から5年以内に死亡したとき
  3. 1級または2級の障害厚生年金を受け取っている人が亡くなった場合
    ※保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が25年以上の人が亡くなった場合も対象です。

1,2,3の要件のことを「短期要件」とも言います。
25年以上は「長期要件」とも言います。

遺族厚生年金を受給できる遺族の範囲

遺族厚生年金は、生計を支えられていた遺族の生活を支える目的で支給されます。

生計を維持されていた遺族が対象です(直系の親族)。

  • 配偶者、子
  • 父母
  • 祖父母

夫の死亡時に30歳未満で子のない妻は、5年間の有期支給となります。

20代の子のない女性なら、まだまだやり直しがきくだろうということかしら。。

遺族厚生年金の年金額

老齢厚生年金の報酬比例部分×4分の3となります。
加入月数が300月未満(25年)の場合には、300月とみなして計算します。

遺族基礎年金は、老齢基礎年金の満額ですが、遺族厚生年金の場合は報酬比例部分の4分の3です。

中高齢寡婦加算

  • 夫の死亡時に中高齢(40歳以上~65歳未満)の子のない妻が対象です。
  • 遺族厚生年金と遺族基礎年金を受け取っていたが、子が18歳に達し、遺族基礎年金が受け取れなくなった妻に支給されます。
  • 経過的寡婦加算:65歳で老齢基礎年金が少ない場合の補う金額です。

子がいない(または18歳になってしまうと)と遺族基礎年金がもらえません。それを補ってもらえるのが中高齢寡婦加算ですね。

過去問

遺族厚生年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.厚生年金保険の被保険者が死亡したことにより支給される遺族厚生年金の額は、死亡した者の厚生年金保険の被保険者期間が300月未満の場合、300月とみなして計算する。

2.遺族厚生年金の額(中高齢寡婦加算額および経過的寡婦加算額を除く)は、原則として、死亡した者の厚生年金 保険の被保険者記録を基に計算された老齢厚生年金の報酬比例部分の3分の2相当額である。

3.厚生年金保険の被保険者である夫が死亡し、夫の死亡当時に子のいない40歳以上65歳未満の妻が遺族厚生年金の受給権を取得した場合、妻が65歳に達するまでの間、妻に支給される遺族厚生年金には中高齢寡婦加算額が加算される。

4.配偶者が死亡したことにより遺族厚生年金の受給権を取得した65歳以上の受給権者について、その受給権者が受給することができる老齢厚生年金の額が当該遺族厚生年金の額を上回る場合、当該遺族厚生年金の全部が支給停止される。

日本 FP 協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 22年5月

最も「×不適切」である選択肢を選ぶ問題

  1. 何回も出てきましたね。300月未満の場合は、300月とみなして計算されます。「○適切」です。
  2. 報酬比例部分の4分の3ですが正解ですので「×不適切」です。
  3. 40歳以上65歳未満の「子のない妻」に、支給されるのが中高齢寡婦加算です。遺族基礎年金の寡婦年金と混同しないようにしましょう。「○適切」です。
  4. 併給調整の話は、別に共有しますが、ここでは2が不適切というのが明らかなので、「○適切」です。自分の厚生年金を受給すると、「もらいすぎ」になるので、調整されます。

遺族基礎年金で、夫が年金を受け取らずに死亡した場合に、60歳以上65歳未満で受給できるのが、寡婦年金です。

遺族厚生年金で、夫の死亡時に中高齢(40歳以上65歳未満)の子のない妻が、受け取れるのが中高齢寡婦加算です。

今回は、ここまでです。

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