ファイナンシャルプランナー(FP)資格は、個人の資産管理や金融アドバイスを行うために必要な知識を証明する資格です。3級と2級においては、難易度には大きな差があると感じています。今回は、3級と2級の難易度について詳しくお話しします。
3級の難易度
FP3級は、ファイナンシャルプランニングの基礎的な知識を問われる試験です。この試験の特徴として、問題形式が2択か3択の選択問題であることが挙げられます。このため、ある程度の知識があれば、直感や雰囲気で正答を選ぶことが可能です。例えば、選択肢が2つであれば、50%の確率で正解できるということになります。
また、3級のテキストは非常に基本的な内容が中心となっており、しっかりとテキストを読み込んで理解すれば、試験に合格するのはそれほど難しくありません。また、ある程度の人生経験があれば一度は経験している事柄が多いので、過去の記憶で乗り切ることも可能です。とはいえ、金融や保険、税制などの広範な分野にわたる知識が必要とされるため、初めて学ぶ人にとっては多少の勉強時間が必要です。
2択の例
(1) 弁護士の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、資産管理の相談に 来た顧客の求めに応じ、有償で、当該顧客を委任者とする任意後見契約の受任者とな ることは、弁護士法に抵触する。
日本 FP 協会 3級ファイナンシャル・プランニング技能検定実技試験(資産設計提案業務)24年1月
3択の例
(34) 確定拠出年金の個人型年金の老齢給付金を60歳から受給するためには、通算加入者 等期間が( )以上なければならない。
1) 10年
2) 15年
3) 20年
日本 FP 協会 3級ファイナンシャル・プランニング技能検定実技試験(資産設計提案業務)24年1月
2級の難易度
一方、FP2級になると、試験の難易度は一気に上がります。2級の問題は4択問題であり、選択肢の数が増えるだけでなく、それぞれの選択肢の正誤を判断しなければなりません。単に選択肢の数が増えるだけでなく、各選択肢についての正確な理解が求められるため、3級の4倍の問題量があるといっても過言ではありません。
さらに、2級ではテキストに載っていないような内容も問われることがあります。これは、試験が単なる知識の暗記ではなく、実際の応用力や深い理解を求めているからです。ですので、問われている内容がどういう背景に基づくものなのかというのを、しっかりと理解している必要があると感じています。
2級の問題例
問題 21 銀行等の金融機関で取り扱う預貯金の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものは どれか。
1.決済用預金は、「無利息」「要求払い」「決済サービスを提供できること」という3つの条件を満た した預金である。
2.当座預金は、株式の配当金の自動受取口座として利用することができる。
3.スーパー定期預金は、預入期間が3年以上の場合、単利型と半年複利型があるが、半年複利型を利 用することができるのは法人に限られる。
4.大口定期預金は、最低預入金額が1,000万円に設定された固定金利型の定期預金である。
日本 FP 協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定実技試験(資産設計提案業務)24年1月
内容の理解が必須
FP2級を取得するためには、単にテキストを暗記するだけでは不十分です。そもそも、暗記するだけだとコストパフォーマンス(タイムパフォーマンス)が、悪いです。問題に出てくる内容の本質を理解し、それを応用できる力が求められます。例えば、具体的な事例をもとにした計算問題や、複数の条件を踏まえた判断が必要なケーススタディ問題が出題されることがあります。
そのため、FP2級の勉強では、基本的な知識を押さえた上で、それを実際の場面でどう活用するかを考えることが重要です。僕自身、まだ2級は、合格していない身分なので、大きな事は言えませんが、問われる項目については考え方を徹底的に整理、理解したうえで、過去問を実施することで細かい知識を裏付けとして身につけていく勉強方法が良いと感じています。
まとめ
FP3級と2級の難易度には大きな違いがあります。3級は基礎的な知識を問う2択や3択の選択問題が中心で、直感で回答できる部分も多いですが、2級は4択問題であり、各選択肢の正誤を判断する必要があります。また、テキストに載っていない内容も出題されるため、深い理解と応用力が求められます。
FP3級を取得するためには、テキストをしっかりと読み込み、問題集を活用して選択問題に慣れることが重要です。過去問を繰り返し解くことで、出題傾向を把握し、試験対策を進めましょう。
一方、FP2級を目指すためには、基礎知識の徹底理解と応用力が求められます。単なる暗記ではなく、理解を重視した勉強をするべきと感じています。
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