生成AIの進化は目覚ましいです。文章生成や翻訳など、様々なタスクをこなせるツールが続々と登場しています。そんな中、異彩を放つのが「ジェミニ」です。指示に従順な「chatGPT」とは対照的に、ジェミニは驚くほど自由な発想でアウトプットを生成します。その自由さは時に「お節介」とすら感じられるほどです。今回は、そんなジェミニの愉快な“お節介”エピソードと、ジェミニとchatGPTの比較を紹介したいと思います。
私は、今年から会社の「生成AI推進グループ」に属していて、さまざまな生成AIに触れる機会も多くなっています。
そこで思うのが、Geminiは自由すぎるAIということです。そのお節介は時にユーモラスで、時に困りものです。しかし、その自由さは独創的なアイデアを生み出す源泉にもなります。GeminiとchatGPT、それぞれの個性を知り、使い分けることが重要です。
尚、生成AIの技術革新は、日進月歩です。この記事は、2024年7月18日現在の記載となっています。
Geminiのおせっかいパターン
- 具体的な指示を無視して、思いがけない文章を生成する。
- 不要な情報を付け加えて、冗長な文章にする。
- 誤字脱字や文法ミスを修正しようとするがあまり、意味を変えてしまう。
項目 | Gemini | chatGPT |
指示への忠実性 | やや低い | 高い |
アウトプットの自由度 | 高い | 低い |
独創性 | 高い | 低い |
ユーモア | 豊富 | 少ない |
堅実性 | やや低い | 高い |
Geminiおせっかい実例
私は、noteもやっていて、先日、その投稿が100本となり、記念の記事を作成するのに、生成AIに、以下のプロンプトで、アウトラインを書いてもらいました。
ブログ記事作成をお願いします。
#テーマ
・富士フイルムX-T5の1年ちょっとの使用記
・ブログ記事100本記念です
・X-T5のいいところ 3つ
・デザイン(持っていて、飽きない、誇らしい)
・フィルムシミュレーション(独特の絵が撮れる)
・小さい・軽い
・X-T5のもう少し頑張ってほしいところ3つ
・熱に弱い(温度アラームが出やすい)
・小さいの裏返しだが、大きいレンズだと少しホールド感に難あり
・ユーザーが少なく、情報得るのが少しだけ困る
出てきた結果
はじめに
この度、ブログ記事執筆を始めてから100本目を迎えることができました。<略>
X-T5のいいところ
X-T5を使い始めてから1年ちょっと経ちますが、<略>
- デザイン
レトロな外観と洗練されたデザインは、<略>
- フィルムシミュレーション
富士フイルム独自のフィルムシミュレーション機能は、
<中略>
ブログ記事100本記念として、読者の皆様にプレゼントを用意しました。詳細はブログ記事の末尾をご覧ください。
プレゼント
富士フイルムX-T5オリジナル壁紙
私の愛する写真5選
応募方法このブログ記事をTwitterでシェアする
ハッシュタグ「#X_T5」「#ブログ100本記念」をつけて、感想をツイートする
締め切り2024年8月31日
当選者発表
9月1日、このブログ記事にて発表
たくさんのご応募をお待ちしております!
なんと、勝手にプレゼント企画を付け足してしまったのです!これには驚きました。
同じプロンプトでchatGPTに指示を出しましたが、さすがにこのような驚きの追加はなかったです。
もし、何も考えずに、そのままコピペ投稿していたら、商品が壁紙や写真ではなく、賞金10万円だったら、考えただけでもぞっとします。生成AIを鵜呑みにしてはならないというのを身をもって体験しました。
もうひとつ試してみました。プロンプト「飛行機が飛ぶ理由は?」
chatGPT
飛行機が飛ぶ理由は、揚力と推力のバランスにあります。具体的には、以下の原理と力が関与しています。
揚力(Lift):
- 飛行機の翼は特定の形状(翼形)を持っており、翼の上側の空気の流れは下側の空気の流れより速くなります。ベルヌーイの定理により、速く流れる空気の圧力は低くなるため、翼の上側の圧力が低くなります。この圧力差が揚力を生み出し、飛行機を上昇させます。
推力(Thrust):
- 飛行機のエンジン(ジェットエンジンやプロペラ)は、後方に向かって空気を押し出します。この反動で飛行機が前進する力が推力です。ニュートンの第三法則「作用・反作用の法則」に基づいて、エンジンが後ろに空気を押し出すと、飛行機は前に進みます。
抗力(Drag):
- 空気抵抗とも呼ばれ、飛行機が空気中を進む際に受ける抵抗力です。抗力は飛行機の前進を妨げます。
重力(Weight):
- 飛行機の質量に対して働く地球の引力で、飛行機を下向きに引っ張る力です。
飛行機が飛ぶためには、推力が抗力より大きく、揚力が重力より大きくなる必要があります。このようにして飛行機は空中に浮かび上がり、飛行を続けることができます。
簡単に言えば、飛行機が飛ぶ理由は、揚力が飛行機を持ち上げ、推力が飛行機を前に進ませるからです。
割と忠実に説明してくれました。そしてGemini
飛行機が飛ぶ理由は、主に以下の4つの力と、それらが生み出す仕組みが関係しています。
1. 揚力(ようりょく)
飛行機が浮き上がるために必要な力です。翼の形状や空気の流れによって生じます。翼の上側は空気の通り道が狭いため、空気が速く流れ、下側よりも圧力が低くなります。この圧力差によって、翼上面には下向きよりも上向きの方が強い力が働き、飛行機を持ち上げる揚力が発生します。
2. 推力(すいりょく)
飛行機を前に進める力です。エンジンやプロペラによって生み出されます。推力が大きければ大きいほど、飛行機は速く進むことができます。
3. 抗力(こうりょく)
飛行機の進行を妨げる力です。空気抵抗とも呼ばれます。機体の形状や空気の流れによって生じます。抗力が大きければ大きいほど、飛行機は速度を維持するために多くの推力が必要になります。
4. 重力(じゅうりょく)
飛行機を下に引っ張る力です。地球の重力によって生じます。揚力が重力よりも大きければ、飛行機は空中に浮き上がることができます。
これらの4つの力が釣り合っている状態の時に、飛行機は安定して飛行することができます。
飛行機が飛び立つためには、まず滑走路を走り、ある程度の速度に達する必要があります。速度が十分になると、翼の揚力が重力よりも大きくなり、飛行機は浮き上がります。その後、エンジンやプロペラによって推力を生み出し、前へ進んでいきます。
飛行中は、操縦士がエルロン、フラップ、ラダーなどの操縦舵を使って、揚力、推力、抗力、重力のバランスを調整しながら、高度や方向を制御します。
このように、飛行機が飛ぶには、翼の形状や空気の流れ、エンジンやプロペラの力、操縦士の技術など、様々な要素が複雑に絡み合っています。
さきほどの、ブログ記事のような、ぶっ飛んだ追加はないものの、
- 「ようりょく」「すいりょく」など、ふりがなをわざわざ追記してくれた(chatGPTはなぜか英単語が補足)
- 操縦士のオペレーションについて、説明を追加してくれた
という点で、若干の「おせっかい」はみられました。
生成AIは、適材適所で
Geminiは自由すぎるAIです。しかし、その自由さを理解して使いこなせば、強力なツールとなるでしょう。一方、chatGPTは指示に忠実に作業をこなすことができます。用途に応じて、適切なAIを使い分けることが重要です。
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