【3分で解説!FP2級】リスク管理~保険の特約と保険解約の見直しについて、払済保険、延長保険どっちがどっち!?

ファイナンシャルプランナー2級

生命保険の特約は、主契約でカバーできないリスクに対する追加の保障を提供します。
保険契約ができなくなった場合の対応について整理しましょう。特に払済保険と延長保険については、間違えやすいので、しっかりとポイントを整理しますので、覚えましょう。

特約の基本概念

  • 生命保険の本契約は死亡や生存に対して保障します。
  • 特約は病気や怪我などに追加の保障を提供します。
  • 特約のみを単独で契約することはできず、主契約が必要です。

主な特約の種類

  • 災害割増特約:不慮の事故による死亡や高度障害に対して保険金が支払われます。事故の日から180日以内の死亡が条件です。
  • 障害特約:事故による高度障害だけでなく、軽度の後遺障害にも給付金が支払われます。
  • 災害入院特約:不慮の事故による入院に対して給付金が支払われます(180日以内に入院した場合)
  • 疾病入院特約:病気による入院に対して給付金が支払われます。
  • 生活習慣病入院特約:がん、心疾患、脳血管疾患、高血圧性疾患、糖尿病などの病気による入院に対して給付金が支払われます。
  • 通院特約:一定期間内の通院に対して給付金が支払われます。

180日以内という数字がよく出てきます!

その他の重要な特約

  • リビング・ニーズ特約:余命6ヶ月以内と診断された場合に、死亡給付金の一部または全部を前倒しでもらえる特約です(3000万円の上限あり)。
  • 先進医療特約:健康保険が適用されない先進医療に対する治療費をカバーします。療養時に厚生労働大臣が承認している治療を受けた場合となります。
  • 特定疾病保障保険特約(三大疾病保障保険特約):三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)にかかり所定の状態になった場合に、支払われます。保険金を受け取った時点で特約は消滅します。保険金を受け取らないまま、死亡した場合は、死亡原因を問わず保険金が支払われます

特定疾病保障保険特約で、死亡原因を問わず保険金が支払われる例は、交通事故で即死だったとしても支払われます。実技試験で必ず問われる箇所なので、要注意!

生命保険の見直し

払済保険と延長保険の違い

  • 払済保険:
    • 保険料の払い込みを止め、解約返戻金を元に保険金額を減額して保険期間を変えない
      払い済んだ保険料で残りの期間を補償する。
    • 特約は消滅するが、リビングニーズ特約は消滅しない
  • 延長保険:
    • 保険料の払い込みを止め、解約返戻金を元に保険期間を短縮して同じ保険金額とする
      一定期間だけ延長して補償する。
    • 特約は消滅するが、リビング・ニーズ特約は消滅しない

(同じ保障で、本来終わるところだった契約の)期間を延長するのが、延長保険の方を覚えればもう片方が払済保険となります

リビング・ニーズ特約は特約保険料もかかっていないので、消滅しないんですね

契約転換制度

  • 古い保険契約を新しい保険契約に転換することで、保険料を再計算し、告知・医師の審査が必要になる
  • 同一の生命保険会社でのみ利用可能。

貸付制度

  1. 自動振替貸付制度:
    • 保険料の払い忘れ時に、解約返戻金を元に保険料を自動で貸し付ける。
    • 利息がかかります
    • 生命保険料控除の対象となる。
  2. 契約者貸付制度:
    • 解約返戻金の範囲内で、保険契約を解約せずにお金を借りることができる。
    • 借りれる金額は解約返戻金の90%までで、利息がかかる。

保険会社の保護機構も90%まででした

過去問

生命保険の保険料の払込みが困難になった場合に、保険契約を有効に継続するための方法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.保険金額を減額することにより、保険料の負担を軽減する方法がある。

2.保険料を払い込まずに保険料払込猶予期間が経過した場合、保険会社が解約返戻金の範囲内で保険料を自動的に立て替えて、契約を有効に継続する自動振替貸付制度がある。

3.保険料の払込みを中止して、その時点での解約返戻金相当額を基に、元の契約の保険金額を変えずに一時払定期保険に変更する延長保険がある。

4.保険料の払込みを中止して、その時点での解約返戻金相当額を基に、元の契約よりも保険金額が少なくなる保険(元の主契約と同じ保険または養老保険)に変更する払済保険があり、特約はすべて継続される。

日本 FP 協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 19年9月

最も「×不適切」な選択肢を選ぶ問題

  1. 保険金額を減額することで、保険料の負担を軽減する方法はありますので「○適切」です。
  2. 「○適切」です。自動貸付制度で立て替えた保険金には利息がつきますが、生命保険料控除の対象となります。
  3. 元の契約の保険金額を変えずに、期間を延長するは「延長保険」です。「○適切」です。
  4. 元の契約の保険期間を変えずに、保険金額が少なくなるのは「払済保険」ですが、特約については、リビング・ニーズ特約以外は消滅しますので、「×不適切」です。

今回は、ここまでです。

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