ワイヤレスオーディオが進化する中で、有線イヤホン派にとって音質を妥協せずに使える環境を整えることが難しくなってきました。スマホのストリーミングサービスを楽しむ際も、常にスマホを携帯する必要があり不便を感じることも多いです。そこで、FIIOのBluetoothレシーバー「BTR13」を購入し、この問題を解決することにしました。本記事では、購入理由と使用感をレビューします。
購入動機
完全ワイヤレスイヤホン(TWS)を使うことでケーブルから解放されますが、耳への負担や音質で物足りなさを感じることがあります。TWSは筐体が大きめのため、耳への圧力が強めで長く使っていると耳が痛くなります。
一方で、私が「BTR13」を選んだ理由は、有線イヤホンの音質がTWSと比べて大幅に優れていると感じていて、その音質を損なわず、快適な音楽体験を求めた結果です。また、有線イヤホンの筐体は小さく、そして軽いため長時間のリスニングでも負担になりません。これも大きなポイントです。
以前からFIIO製品で音質の良さを実感していたことも、購入の決め手となりました。また、同社の上位機種である「BTR7」も検討しましたが、価格が3万円を超えるため手頃な「BTR13」が魅力的に映りました。約1万円で手に入るというコストパフォーマンスの高さも大きな理由です。
音質(Bluetooth接続)
音質の評価はLDACで行いたかったため、Android(Pixel 6a)で検証しました。有線イヤホンは、ゼンハイザーのIE100 Proを使い、有線DACのFIIO KA3とも比較しました。
結果、Bluetooth接続ながらフラットで柔らかい音質が印象的でした。KA3のようなメリハリは少し物足りないかもしれませんが、Bluetooth接続とは思えないクリアな音が楽しめます。また、4.4mmバランス接続にも対応しているため、より高音質です。
USBドングルタイプのDACだと、USBケーブルの劣化などで、音切れなど発生することがありますが、Bluetooth接続であればその心配もありません。
同じLDAC接続のTWSであるWF-1000XM4と比較しても、BTR13+IE100 Proの方が音質面で優れていると感じました。イコライザー機能も細かい調整が可能で、幅広いユーザー好みに音を調整できる点も大きな魅力です。音質がとてもフラットなので、イコライザーの出番は多いとおもいます。
※WF-1000XM4もイコライザは優れていますが、より細かい調整が可能です。
LDAC以外にも主要なBluetoothコーデックに対応しており、Snapdragon搭載のAndroid端末であれば、コーデックの選択肢が広がると思われます。
※Pixelは、GoogleのTensorチップのため、クアルコムのaptX系のコーデックは使えません。クアルコムSnapdragon搭載のスマホであれば、aptX系のコーデックを選べます。尚、iPhoneにおいては、AACのみの対応になると思われます。
3.5mmアンバランス接続と、4.4mmバランス接続に対応しているのもポイントが高いです。
音質(有線接続)
BTR13はUSB DACとして有線接続も可能です。厳密には、USB接続の方が音質が良いはずですが、この製品の場合、有線では最大96kHz/16bitでの伝送のため、上位機種や、有線専用機に比べて数値的に見劣りする部分はあります。
実際に私の耳では、Bluetoothと比べても大きな音質向上は感じられないため、BTR13はBluetooth専用機として使うのが良いと感じました。
操作性と利便性
BTR13の魅力は音質だけにとどまりません。小型でクリップ付きのため、持ち運びに非常に便利で、ポケットに簡単に取り付けられます。物理スイッチや音量ボタンがついているため、スマホを取り出さずに手元で操作が可能です。
また、USB-C充電に対応しているので、他のデバイスと同じ充電器が使える点も便利です。さらに無線で音楽を楽しむ間にスマホを充電できるため、寝る前に音楽を聴きたいときもスマホの電池切れを心配せずに済む点が嬉しいポイントです。
クリップでポケットなどに挟むことが可能。物理スイッチは最低限ではありますが、あるととても便利です。
超小型USB DACであるKA3と比較すると、一回り大きいですが、それでもかなり小型です。
まとめ
FIIOの「BTR13」は、手頃な価格で高音質と利便性を兼ね備えた製品です。特にLDAC対応により、Bluetoothながらも有線に近いクリアな音質を提供してくれるのが魅力です。有線イヤホン愛好家がスマホを持ち歩かずに音楽を楽しめる1万円前後の製品として、おすすめできるアイテムです。
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