FP2級試験では「遺留分」と「成年後見制度」も重要なポイントです。遺留分は遺言で遺産が不公平に配分された場合に家族が一定の権利を主張できる制度であり、成年後見制度は判断能力の低下した人の権利を守る制度です。ここでは、試験に役立つ要点をまとめました。
遺留分とは
遺留分とは、法定相続人に最低限保証される相続割合を指します。被相続人(亡くなった方)は遺言で自由に財産を指定できますが、遺留分を侵害する場合、家族は「遺留分侵害額請求権」を行使してその権利を主張することができます。
遺留分のポイント
項目 | 説明 |
---|---|
遺留分の権利者 | 配偶者、子、父母に限られます。兄弟姉妹には遺留分の請求権はありません。 |
遺留分放棄 | 遺留分は相続開始前に家庭裁判所の許可を得て放棄することができます。 |
請求期限 | 遺留分侵害を知った日から1年、または相続開始から10年以内です。超えると遺留分侵害額請求権は消滅します。 |
遺留分の割合
法定相続人の組み合わせ | 遺留分割合 |
---|---|
配偶者や子がいる場合 | 相続財産の1/2 |
父母のみが相続人の場合 | 相続財産の1/3 |
成年後見制度
成年後見制度は、判断能力の低下した高齢者や障害を持つ方の財産を管理し、生活を支援するための制度です。認知症の進行により、財産管理に支障が出た場合などに利用され、法的に選ばれた後見人が代わりに契約や財産管理を行います。
成年後見制度の種類と特徴
制度の種類 | 説明 | 主な対象 |
---|---|---|
法定後見 | 判断能力が不十分な段階で、家庭裁判所が後見人を選任。 | 認知症や精神障害のある方など。 |
任意後見 | 判断能力がしっかりしているうちに自分で後見人を選び、万が一の際に備える契約を結ぶ。 ※公正証書で契約 | 判断能力が衰えた場合に備えたい方。 |
法定後見の3段階
種類 | 対象の判断能力 | 例 |
---|---|---|
後見 | 判断能力がほぼない | 日常生活に関する行為以外の行為は後見人が代行。 |
補佐 | 判断能力が著しく低下しているが一部は自分で決定可能 | 後見人が補助的に財産管理などをサポート。 |
補助 | 判断能力が一部不十分 | 特定の重要な行為のみ後見人がサポート。 |
遺留分と成年後見制度の理解のポイント
- 遺留分の請求期限:知った日から1年、または相続開始から10年である点が重要です。
- 遺留分権利者:配偶者、子、父母が対象で、兄弟姉妹には認められない点に注意してください。
- 成年後見制度の2種類:現在の判断能力によって「法定後見」か「任意後見」を選べる点が特徴です。
これらのポイントをしっかり理解して、FP2級試験対策に役立ててください。
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