【3分で解説!FP2級】金融資産運用〜景気と金利のメカニズムについて

ファイナンシャルプランナー2級

金利の変動メカニズムは、FP2級試験でも重要なトピックの一つです。特に景気や物価、為替との関連は暗記だけではなく、理解しておくと問題に対応しやすくなります。ポイントを要約しています。


景気循環と金利の関係

景気循環には4つの段階(好況→後退→不況→回復)がありますが、重要なのは景気の変動が金利にどう影響を与えるかという点です。景気が良くなると、企業は生産活動を活発化させるために資金を必要とします。一方で、景気が悪くなると設備投資を控えるため、資金需要が減少します。

  • 景気が良い時(好況):企業は設備投資のために資金を必要とし、借入需要が増加 → 金利上昇
  • 景気が悪い時(不況):企業の借入需要が減少 → 金利低下

このサイクルを理解することで、試験の問題に応用できる基礎が身につきます。


需要と供給で見る金利の変動

金利は、貸し手(投資家)と借り手(企業)のバランスで決まります。下記の表のように、資金を貸したい人が少ない一方で借りたい人が多い場合、金利が上昇します。

金利の決定メカニズム(需要と供給)

状況金利の動き
貸したい人が少なく、借りたい企業が多い金利が上がる
貸したい人が多く、借りたい企業が少ない金利が下がる

マネーストックと金利

マネーストックとは、国内の通貨供給量を指します。通貨供給量が減ると、金利が上昇します。これは、以下のような理由からです。

  • マネーストックが減少:国内で利用できるお金が少ないため、銀行はお金を預けてもらうために金利を上げる。
  • マネーストックが増加:お金が余っているため、借りる側が有利になり、金利が下がる。

物価と金利

物価が上昇すると、金利も上昇します。理由は、物価が上がると企業や消費者は物を買うために借り入れを増やし、資金需要が増えるからです。例えば、以下のようなシナリオが考えられます。

  • 物価が上がる → 消費者が生活必需品を購入するためにお金を借りる → 金利上昇

為替と金利

為替相場、特に円安と金利の関係もFP2級で重要なトピックです。円安になると、海外の商品やサービスが高くなり、物価が上がる傾向にあります。それに伴って、金利が上昇する可能性があります。

  • 円安 → 輸入品の価格上昇 → 国内物価の上昇 → 金利上昇

また、円安が進むと、投資家が外貨で資産運用をしたくなるため、日本国内の預金が減少し、国内金利が上昇することがあります。


海外金利と国内金利の関係

海外の金利が上昇すると、日本国内の金利も上昇することがあります。例えば、アメリカの金利が上がると、日本の投資家はアメリカで資産運用を行いたくなり、日本から資金が流出します。これを防ぐために、日本国内でも金利が引き上げられる可能性があります。


まとめ

金利の変動メカニズムは、複数の要因が絡み合っていますが、基本的には「景気」「マネーストック」「物価」「為替」「海外金利」との関係性を理解することが重要です。これらの基礎的な知識をしっかりと押さえておくと、FP2級試験の問題にも対応しやすくなるでしょう。

試験対策としては、以下のポイントを意識しておくと良いでしょう。

  • 景気が良いと金利は上がる。不況時は金利が下がる。
  • マネーストックが増えると金利は下がる。逆に減ると金利は上がる。
  • 物価が上がると金利は上がる
  • 円安になると金利は上がることが多い
  • 海外の金利が上がると、日本の金利も上がる

これらの知識を整理しておくことで、試験問題も「暗記」ではなく「理解」で解けるようになるでしょう。

過去問

日本円・米ドル間の為替相場の変動要因等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.購買力平価説によれば、米国と日本に同じ財があり、その財を米国では2米ドル、日本では220円で買える場合、為替レートは1米ドル=110円が妥当と考える。

2.米国の物価が日本と比較して相対的に上昇することは、一般に、円安米ドル高要因となる。

3.日本の対米貿易黒字の拡大は、一般に、円高米ドル安要因となる。

4.米国が政策金利を引き上げ、日本との金利差が拡大することは、一般に、円安米ドル高要因となる。

日本 FP 協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 19年9月

最も「×不適切」な選択肢を選ぶ問題

  1. 購買力平価説といって、二国間の為替レートが各国における購買力などに等しくなるように決定されるという考え方であり「○適切」です。
  2. 物価上昇(インフレ)はその国の通貨の価値を下げる傾向があり、アメリカの物価が上がればドル安につながる可能性があります。したがって、「×不適切」です。
  3. 日本がアメリカとの貿易で黒字を拡大すると、日本はアメリカからより多くのドルを受け取ります。アメリカにたくさんの物を売ってドルを受け取った日本が、そのドルを円に換えるので、円の価値が上がる(円高)ため、「○適切」です。
  4. 「アメリカでお金を預けたほうが儲かる」となり、ドルを買いたい人が増えてドルの価値が上がることになります。円安米ドル高を引き起こすので「○適切」です。

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