相続分野は、それ自体が未経験の方も多く、FP2級試験で多くの受験者がつまずきやすい分野です。本記事では、寄与分、配偶者居住権、特別受益など、試験に頻出の相続用語についてわかりやすく解説します。
代襲相続
代襲相続とは、相続開始時に相続人がすでに死亡している場合、その相続人の子が代わりに相続する制度です。例えば、子が亡くなっている場合、孫が相続することになります。
■ポイント
- 適用条件: 相続人が死亡、欠格、排除された場合
- 適用不可: 相続放棄した場合
ケース | 代襲相続の可否 | 説明 |
---|---|---|
子が死亡 | 可 | 孫が代わりに相続 |
子が相続放棄 | 不可 | 放棄者の意思であり、その下の世代に権利は移らない |
寄与分・特別寄与料
寄与分と特別寄与料は、被相続人に対して特別に貢献した相続人や、相続人以外の者が、他の相続人よりも多くの財産を受け取れるよう主張するための制度です。
用語 | 主張者 | 説明 |
---|---|---|
寄与分 | 相続人 | 被相続人の財産維持や増加に貢献した相続人が、他の相続人よりも多く財産を受け取れるよう主張する制度 |
特別寄与料 | 相続人以外 | 被相続人に対して特別に貢献した相続人以外(例えば、被相続人を介護していた嫁)が相続人に対して請求できる制度 |
■寄与分の例
- 亡くなった親の財産維持や介護に尽力した相続人が、他の相続人よりも多く財産を受け取れるよう主張するケース。
特別受益
特別受益とは、相続人の一部が生前に被相続人から特別な利益(贈与)を受けていた場合、その利益を相続分に含めて公平に分割する制度です。
■ポイント
- 考慮される贈与例: 生前贈与、住宅購入資金の援助など。
- 例外: 結婚20年以上の夫婦で贈与された居住用不動産は特別受益として考慮しない。
配偶者居住権
配偶者居住権とは、被相続人が亡くなった後も、残された配偶者が無償で自宅に住み続けることができる権利です。配偶者の生活を守るために新たに導入された制度です。
配偶者居住権の種類 | 説明 |
---|---|
配偶者居住権(終身使用) | 配偶者が亡くなるまで、無償で住み続けられる権利。譲渡や売却は不可 |
配偶者短期居住権 | 遺産分割協議が成立するまでの間、無条件で6ヶ月間住み続けられる権利 |
■ポイント
- 相続税: 配偶者居住権には相続税がかからない。
- 譲渡不可: 配偶者居住権は譲渡や売却ができません。
まとめ
相続分野において頻出のキーワードと制度を理解し、試験対策として要点を押さえておきましょう。
- 代襲相続: 相続人が死亡・欠格の場合、その子が代襲相続。
- 寄与分・特別寄与料: 相続人や相続人以外が、貢献度に応じて多くの財産を主張できる制度。
- 特別受益: 生前に受けた利益を相続に含めて公平に分割。
- 配偶者居住権: 残された配偶者が安心して住み続けられる制度。
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