【3分で解説!FP2級】リスク管理〜個人契約の生命保険と税金の関係

ファイナンシャルプランナー2級

生命保険料を支払う際には、所得控除が適用されます。これは、支払った保険料の一部を所得から差し引くことができる仕組みです。また、生命保険金を受け取る場合、相続税、所得税、贈与税が適用される可能性があります。具体的な税金の種類は、状況により異なります。特に受け取るときの税金の扱いについて、ポイントを解説します。

払込保険料と所得控除

生命保険料控除
生命保険料控除は、所得税の計算時に所得から差し引くことができます。これにより、支払う税金を減らすことができます。

控除の上限額
控除の上限額は以下の3つに分かれています:

  • 一般の生命保険料
  • 個人年金保険料
  • 介護医療保険料

2012年以降の各控除の上限額は、所得税で4万円、住民税で2万8000円です。

個人年金保険料の控除要件
個人年金保険料が控除の対象となるためには、以下の要件を満たす必要があります:

  1. 保険契約が10年以上の期間であること。
  2. 契約者と年金受取人が同一人物であること。
  3. 保険料の支払いが終身または一定期間の定期的な支払いであること。

これらの条件を満たしている場合、個人年金保険料も所得控除の対象となります。

税金の種類の判別方法

死亡保険金や満期保険金を受け取る際の判別
税金の種類を判別するための2つの質問:

  1. 亡くなったのは保険料を払っていた人ですか?
  2. 保険料を払った人が受け取りましたか?

ほんださんのyoutubeの解説がわかりやすかった!

これらの質問により、相続税、所得税、贈与税のどれが適用されるかを決定します。

金融類似商品の課税関係

保険の名を冠した投資商品という扱いとなる
一部の保険商品は、実質的には投資商品とみなされ、源泉徴収(20.315%)の課税処理となります。例えば、一時払い養老保険や変額保険はその代表例です。これらの商品に関しては、以下のような条件があります:

一時払い養老保険:一括で保険料を支払う形の保険で、満期時に受け取る金額が預けた金額よりも多い場合、差額に対して源泉徴収税が課されます。保険期間が5年以下または、5年超でも5年以内に解約して受け取った解約返戻金は、源泉徴収の対象となります。
ただし、一時払終身保険の保険金や、解約返戻金は一時所得として総合課税の対象です。
変額保険:保険金が市場の投資パフォーマンスに連動するため、投資収益が発生した場合、通常の保険とは異なる税制が適用されることがあります。

非課税となる保険金や給付金

病気やけがに起因して支払われる保険金

  • 高度障害保険金
  • 三大疾病(特定疾病)保険金
  • リビング・ニーズ特約保険金
  • 就業不能給付金

損害を補填するような目的で給付される保険金

  • 入院保険金
  • 手術給付金
  • がん診断給付金
  • 先進医療給付金

過去問

生命保険の税金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、いずれも契約者(=保険料負担者)および保険金・給付金等の受取人は個人であるものとする。

1.契約者と被保険者が同一人である終身保険において、被保険者がリビング・ニーズ特約に基づいて受け取った特約保険金は、一時所得として課税の対象となる。

2.一時払終身保険を保険期間の初日から4年10ヵ月で解約して契約者が受け取った解約返戻金は、一時所得として課税の対象となる。

3.契約者と被保険者が同一人である養老保険において、被保険者の相続人ではない者が受け取った死亡保険金は、贈与税の課税対象となる。

4.契約者と被保険者が同一人である医療保険において、被保険者が疾病の治療のために入院したことにより受け取った入院給付金は、一時所得として課税の対象となる。

日本 FP 協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 21年1月

最も「○適切」な選択肢を選ぶ問題

  1. リビング・ニーズ特約は非課税ですので、「×不適切」です。
  2. 5年以内に解約したからといって、源泉徴収と思うのは早計で、一時払終身保険の保険金や、解約返戻金は満期がないため金融商品扱いとならず、一時所得として総合課税の対象ですので「○適切」です。
  3. この場合、亡くなったのは保険契約者=払っていた人なので、相続税の対象です。したがって「×不適切」です。
  4. 入院給付金は非課税ですので、「×不適切」です。

今回は、ここまでです。

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