【3分で解説!FP2級】ライフプランニングと資金計画 企業・個人事業主の年金

ファイナンシャルプランナー2級

FP2級資格取得を目指している皆さん、こんにちは。

  • 確定給付型年金と確定拠出型年金の違いについて正しく理解できていますか?
  • 中小企業退職金共済制度と小規模企業共済の違いを説明できますか?

このブログでは、企業や個人事業主にとって重要な年金分野について詳しく解説し、皆さんの勉強をサポートします。分かりやすい情報を通じて、混同しがちなポイントをクリアにしていきましょう。

企業年金の種類

  • 確定給付企業年金(DB: Defined Benefit Plan)は、受け取る給付額が確定している年金です。基金型と規約型があります。
  • 確定拠出年金(DC: Defined Contribution Plan)は、現役時に支払う金額(拠出額)が決まっている年金です。企業型と個人型(iDeCo)があります。

確定拠出年金

企業型

  • 加入対象者:確定拠出年金制度を実施する企業の70歳未満の役員・従業員
  • 掛金の拠出:原則、事業主が拠出します。規約によって、従業員が上乗せ可能です。
  • 拠出限度額:月額55,000円(年額660,000円) 
    ※確定給付型の年金を実施している場合は、月額27,500円(年額330,000円)

個人型(iDeCo)

  • 加入対象者:日本国内に居住している20歳以上65歳未満の国民年金被保険者
    • 第1号被保険者
    • 第2号被保険者
    • 第3号被保険者
    • 任意加入被保険者
  • 掛金の拠出:加入者個人
  • 拠出限度額(主なパターン)
    • 第1号被保険者:月額68,000円(年額816,000円)※国民年金基金と付加保険を合算した上限
    • 第2号被保険者:個人型のみ加入で月額23,000円(年額276,000円)
      • (企業型確定拠出加入の場合は月額20,000円(年額240,000円))
    • 第3号被保険者:月額23,000円(年額276,000円)

第1号被保険者は、厚生年金がないので、多めの拠出をすることができます。

確定拠出年金の給付と移管

  • 給付:60歳到達時から老齢給付金を受け取れます(60歳の時点で加入期間が10年に満たない場合、加入期間に応じて支給開始年齢は遅れます)。
  • 移管:ポータビリティという制度があります。

中小企業退職金共済制度

中小企業のために国が支援する退職金制度

  • 加入対象者:中小企業の従業員および役員であり、個人事業主は原則として加入できません。
  • 掛金:全額事業主負担で、従業員ごとに5,000円から30,000円の範囲で選択できます。
  • 新規に加入する事業主には助成があります。
  • 掛金を増額する事業主にも助成が行われます。
  • 給付(退職金)については、分割払い(年金形式)も可能です。

中小企業の定義

加入できる企業の範囲は業種によって異なります。
製造業や建設業などの一般業種では常時雇用する従業員の数が300人以下または資本金の額・出資の総額が3億円以下のいずれか一方を満たしていれば加入できます。
卸売業の場合は100人以下または1億円以下のいずれか、サービス業の場合は100人以下または5千万円以下のいずれか、小売業の場合は50人以下または5千万円以下のいずれか一方を満たしている企業となります。

自営業者の年金制度

自営業者の年金は国民年金(基礎年金)のみで、1階部分しかありません。そのため、将来の年金額が少ないので、それを補うための制度があります。

付加年金:第1号被保険者の国民年金の上乗せ制度です。月額400円加算すると、付加年金を支払った月数×200円が、老齢基礎年金に上乗せされます。

国民年金基金:第1号被保険者の国民年金上乗せ制度です。

  • 加入対象者:第1号被保険者と任意加入被保険者
  • 国民年金基金と付加年金はどちらか一方のみ利用できます。
  • 掛金:上限は月額68,000円、全額社会保険料控除の対象で、1年分前納すると割引があります。
    • ※遺族一時金はありますが、障害給付はありません

小規模企業共済:小規模企業の役員や個人事業主の退職金制度です。従業員数20人以下の個人事業主やその役員が加入可能で、一部のサービス業では5人以下が条件です。

  • 掛金:月額1,000円~70,000円で、退職や廃業時に受け取ることが可能です。

過去問

確定拠出年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.個人型年金の加入者が国民年金の第1号被保険者である場合、掛金の拠出限度額は年額816,000円である。

2.個人型年金の加入者が国民年金の第3号被保険者である場合、掛金の拠出限度額は年額240,000円である。

3.確定拠出年金の通算加入者等期間が10年以上である場合、老齢給付金は原則として60歳から受給することができる。

4.一時金で受け取る老齢給付金は、退職所得として所得税の課税対象となる。

日本 FP 協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 18年9月

最も「×不適切」な選択を選ぶ問題

  1. 816,000円=月額68,000円なので、正しいです。「○適切」
  2. 第3号被保険者は、月額23,000円(年額276,000円)ですので、「×不適切」です。
  3. 10年以上の加入期間があれば、老齢給付金は60歳から受け取ることが可能です。「○適切」
  4. 一時金は、退職所得となりますので、「○適切」です。※後にタックスプランニングで習います。

20,000円と23,000円と近い金額が登場するので、上限額はしっかりと覚える必要がありますね

中小企業退職金共済、小規模企業共済および国民年金基金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.小売業に属する事業を主たる事業として営む事業主は、常時使用する従業員の数が100人以下である場合、原則として、中小企業退職金共済法に規定される中小企業者に該当し、共済契約者になることができる。

2.中小企業退職金共済の退職金は、被共済者が退職した日に年齢が60歳以上であるなどの要件を満たした場合、被共済者の請求により、退職金の全部または一部を分割払いにすることができる。

3.小規模企業共済の掛金月額は、共済契約者1人につき、3万円が上限となっている。

4.国民年金基金の給付には、老齢年金、障害年金、死亡一時金がある。

日本 FP 協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 22年5月

最も「○適切」な選択肢を選ぶ問題

  1. 中小企業退職金共済制度に加入できる法人は業種により異なり、一定の要件(常用従業員数または資本金・出資金)を満たす必要があります。小売業の要件は、「常用従業員数50人以下または資本金・出資金5,000万円以下」です。「×不適切」です。
  2. 退職金の全額または一部は、分割払い(年金形式)にすることは可能です。したがって「○適切」
  3. 小規模企業共済の掛け金の上限は、70,000円です。30,000円は中小企業退職金共済制度のほうです。したがって「×不適切」です。
  4. 国民年金基金には、障害年金(障害給付)はありませんので、「×不適切」です。

中小企業退職金共済制度と小規模企業共済は、混同しちゃいますね。前者は従業員のための者、後者は経営者のためのもの。と覚えればよいかもしれません。

今回は、ここまでです。

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