【3分で解説!FP2級】不動産~固定資産税と都市計画税

ファイナンシャルプランナー2級

不動産の保有に関する税金は、固定資産税と都市計画税の2つが中心です。これらの税金には特例が多く存在し、適切に利用すれば税負担を大幅に軽減できます。この記事では、特例のポイントを整理します。

固定資産税の基本

固定資産税は、土地や建物を保有している人が毎年納める税金です。課税の対象は1月1日時点での所有者で、市町村が課税します。税額は「固定資産税評価額 × 標準税率(1.4%)」で計算されます。標準税率は市町村の条例により変動することがありますが、基本的には1.4%が目安です

例:
土地や建物の評価額が3000万円の場合、固定資産税は1.4%を掛けて42万円となります。

固定資産税の特例

固定資産税には多くの特例があり、適用されると税負担を軽減できます。以下に主要な特例を紹介します。

住宅用地に関する特例

住宅が建っている土地については、評価額を低く見積もることができます。具体的には、以下のような軽減措置が取られます。

土地の種類軽減率説明
小規模住宅用地(200平米以下1/6固定資産税評価額の1/6の金額で課税
一般住宅用地(200平米超)1/3200平米を超える部分に対して評価額の1/3で課税

新築住宅に対する特例


新築住宅に対しては、固定資産税が一定期間軽減されます。適用要件として、住宅の床面積の1/2以上が居住用であること、床面積が50㎡以上280㎡以下であることが必要です。

※120㎡以下の部分が軽減される

住宅の種類軽減期間軽減率
一戸建て住宅3年間税額の1/2
マンションなど5年間税額の1/2

不動産取得税は240㎡まででしたが、固定資産税は280㎡です

都市計画税

都市計画税は、都市計画事業の費用を賄うための税金で、固定資産税と一緒に納付します。課税対象は主に市街化区域内の土地や建物です。税額は固定資産税評価額に0.3%を掛けたものです。都市計画税の標準税率は0.3%で、これを超えることはできませんが、引き下げることは可能です。

都市計画税の特例

都市計画税にも特例があります。特に、住宅用地については固定資産税よりもやや軽減される形で特例が適用されます。

土地の種類軽減率(都市計画税)説明
小規模住宅用地(200㎡以下)1/3固定資産税評価額の1/3の金額で課税
一般住宅用地(200㎡超部分)2/3200平米を超える部分に対して評価額の2/3で課税

過去問

不動産に係る固定資産税および都市計画税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.固定資産税の納税義務者は、年の中途にその対象となる土地または家屋を売却した場合であっても、その年度分の固定資産税の全額を納付する義務がある。

2.住宅用地に係る固定資産税の課税標準については、住宅用地で住宅1戸当たり300㎡以下の部分について課税標準となるべき価格の6分の1の額とする特例がある。

3.都市計画税は、都市計画区域のうち、原則として市街化調整区域内に所在する土地または家屋の所有者に対しては課されない。

4.都市計画税の税率は各地方自治体の条例で定められるが、100分の0.3を超えることはできない。

日本 FP 協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 20年9月

最も「×不適切」な選択肢を選ぶ問題

  1. 固定資産税の納税義務者は、その年の1月1日に、所有していた人が支払い義務を有するので、途中で売却したとしてもその義務はなくなりません。したがって、「○適切」です。
  2. 一戸当たり200㎡以下の部分が特例の対象です。300㎡ではありません。「×不適切」です。
  3. 都市計画税は、市街化区域が対象ですので、市街化調整区域は対象外です。したがって「○適切」です。
  4. 都市計画税は、地方自治体の条例で定められますが、上限があります。したがって「○適切」です。

不動産に係る固定資産税および都市計画税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.土地および家屋に係る固定資産税の標準税率は1.4%と定められているが、各市町村は条例によってこれと異なる税率を定めることができる。

2.都市計画税は、都市計画区域のうち、原則として市街化調整区域内に所在する土地または家屋の所有者に対して課される。

3.地方税法において、固定資産税における小規模住宅用地(住宅用地で住宅1戸当たり200㎡以下の部分)の課税標準については、課税標準となるべき価格の3分の1の額とする特例がある。

4.地方税法において、所定の要件を満たす新築住宅に係る固定資産税は、1戸当たり120㎡以下の床面積に相当する部分の税額について、一定期間にわたり5分の1に軽減される特例がある。

日本 FP 協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 20年1月

最も「○適切」な選択肢を選ぶ問題

  1. 固定資産税の税率は、各市町村の条例で定めることができます(標準は1.4%)。したがって、「○適切」です。
  2. 都市計画税は、市街化区域を対象とします。問題文は逆のことを言っているので、「×不適切」です。
  3. 小規模住宅用地の特例は、200㎡以下の部分に対して、6分の1の額で評価されますので、3分の1ではありません。「×不適切」です。
  4. 1戸当たり120㎡以下の床面積に相当する部分の税額について、一定期間にわたり2分の1に軽減される特例があります。5分の1は誤りですので、「×不適切」です。

今回は、ここまでです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました