FP2級試験において「信用取引」は出題頻度が高いテーマのひとつです。信用取引の基本的な仕組みやリスク、決済方法を理解しておくことが重要です。本記事では、試験対策として押さえておくべきポイントを整理しました。
信用取引とは?
信用取引とは、証券会社に保証金を預けることで、自己資金以上の取引を可能にする仕組みです。通常の取引(現物取引)では、持っている資金の範囲内でしか株を購入できませんが、信用取引では証券会社から資金を借りて株式の売買ができます。
信用取引の基本
項目 | 内容 |
---|---|
取引の特徴 | 証券会社に保証金を預けて取引を行う |
メリット | 少ない資金で大きな取引が可能 |
リスク | 相場の変動により損失が拡大する可能性がある |
委託保証金 | 証券会社に預ける資金(現金や有価証券) |
委託保証金率 | 最低30%以上(法律で規定) |
委託保証金と追証(おいしょう)
信用取引では、取引を行うために「委託保証金」を証券会社に預ける必要があります。保証金率が30%を下回ると、追加で保証金を入れる「追証(おいしょう)」が発生します。
追証の発生例
- 500万円の保証金を預け、1,000万円分の株を購入(保証金率50%)。
- 株価が下落し、評価額が600万円に減少。
- 損失が400万円発生し、保証金の残高は100万円に。
- 保証金率が16%(600万円÷100万円)になり、30%を下回ったため追証発生。
- 追加で80万円を入金し、保証金率を30%に回復。
信用取引の種類
信用取引には「制度信用取引」と「一般信用取引」の2種類があります。
種類 | 特徴 |
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制度信用取引 | 証券取引所が定めた基準を満たした銘柄のみ対象。返済期限は最長6ヶ月。 |
一般信用取引 | 証券会社が独自に設定したルールで取引。銘柄数が多く、返済期限の制限がない。 |
信用取引の決済方法
信用取引には、買いから入る「信用買い」と、売りから入る「信用売り(空売り)」があります。
空売り(信用売り)の仕組み
空売りとは、持っていない株を先に売り、後から買い戻すことで利益を得る取引です。株価が下がると利益が出ますが、予想に反して上がると損失が拡大します。
決済方法の種類
決済方法 | 内容 |
---|---|
反対売買 | 信用買いの場合は売却、信用売りの場合は買い戻しを行い決済。 |
現引き | 信用買いした株を現金で買い取る。 |
現渡し | 信用売りした株を手元の株で返済する。 |
まとめ
信用取引は、少ない資金で大きな取引が可能な一方で、リスクも高いため注意が必要です。FP2級試験では、以下のポイントをしっかり押さえましょう。
✅ 信用取引は証券会社に保証金を預けることで自己資金以上の取引が可能
✅ 委託保証金率は最低30%以上で、下回ると追証が発生
✅ 制度信用取引と一般信用取引の違いを理解する
✅ 空売りの仕組みと決済方法(反対売買・現引き・現渡し)を押さえる
信用取引の理解を深め、試験対策に役立ててください!
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