今回はタックスプランニングの中でも「所得控除」について、短時間で要点を押さえて解説します。所得控除はFP2級で頻出のテーマであり、配偶者控除や配偶者特別控除など、混乱しがちな項目も多いですよね。本記事では、これらの控除をスッキリ整理して、試験でしっかり得点できるようサポートします。たった3分で理解できるポイントをまとめましたので、ぜひご一読ください!
基礎控除
- 所得が2,500万円超の場合はゼロ円
- 所得が2,400万円以下の場合は、48万円
給与所得控除額の下限値55万円とあわせて103万円
配偶者控除
・配偶者を養っている場合に、所得を減らすことができます。
配偶者控除の適用要件
- 納税者本人のその年の合計所得額が1,000万円以下であること
- 配偶者が生計を一にしていること
- 配偶者の合計所得金額が48万円以下であること(給与収入が103万以下)
- 配偶者が青色事業専従者として給与を受けていない
(事業などで納税者から給料をもらっていない)
控除額は原則、最高で38万円です(70歳以上の老人控除対象配偶者は、48万円)。納税者本人の所得によって、金額が変わります。
配偶者特別控除
・配偶者の所得が48万円を超えた場合でも、段階的に配偶者特別控除が得られます
配偶者控除と配偶者特別控除
扶養控除
配偶者以外の家族を養っている場合は、所得を減らすことができます。
扶養控除の適用要件
- 生計を一にしている配偶者以外の親族(別居でも可)
- 16歳以上である(15歳以下は児童手当がもらえるので)
- 年間の合計所得金額が48万円以下(給与収入が103万以下)
- 青色事業専従者として給与を受けていない
扶養控除の控除金額
- 基本は38万円
- 大学生(19歳以上23歳未満)の場合は63万円 → 特定扶養親族
- 70歳以上の老人の場合、同居58万円、別居48万円 → 老人扶養親族
※納税者本人あるいは、配偶者の父母など直系親族が該当します
大学生(特定扶養親族)、70歳以上の老人(老人扶養親族)が例外と、しっかり覚えましょう
障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除
障害者控除
・納税者本人か、生計を一にする配偶者、16歳未満を含む扶養親族が一定の障害者である場合
寡婦控除
・納税者本人が寡婦である場合で、合計所得が500万円以下、夫と死別/離婚した後に結婚をしていない一定の扶養親族がいる場合
ひとり親控除
・納税者本人がひとり親である場合で、合計所得が500万円以下、現在婚姻していない、総所得が48万円以下の子どもがいる場合
勤労学生控除
・納税者本人が勤労学生で、合計所得金額が70万円以下である場合
ここの控除は軽く覚えておきましょう。合計所得が500万円以下がポイント
過去問
所得税における扶養控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.控除対象扶養親族のうち、その年の12月31日現在の年齢が16歳以上23歳未満の者は、特定扶養親族に該当する。
2.控除対象扶養親族のうち、その年の12月31日現在の年齢が70歳以上の者は、老人扶養親族に該当する。
3.同居老親等とは、老人扶養親族のうち、納税者またはその配偶者の直系尊属で、かつ、そのいずれかと同居を常況としている者をいう。
4.年の途中で死亡した者が、その死亡の時において控除対象扶養親族に該当している場合には、納税者は扶養控除の適用を受けることができる。
日本 FP 協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 19年9月
最も「×不適切」な選択肢を選ぶ問題
- 特定扶養親族は大学生想定ですので、19歳以上-23歳未満が正解です。16歳は誤りです「×不適切」です。
- 70歳以上の老人を扶養している場合は、老人扶養親族となりますので「○適切」です。
- 納税者本人または配偶者の直系尊属を同居老親族となりますので「○適切」です。
- 年の途中云々は、ポイントでまとめていませんが、1が回答ですので、「○適切」と判断します。
しれっと、16歳以上とか書いてあります。問題文は丁寧に読む必要があります!
所得税における所得控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
1.所得税法上の障害者に該当する納税者は、その年分の合計所得金額の多寡にかかわらず、障害者控除の適用を受けることができる。
2.納税者は、その年分の合計所得金額の多寡にかかわらず、基礎控除の適用を受けることができる。
3.納税者は、その年分の合計所得金額が500万円を超える場合、ひとり親控除の適用を受けることができない。
4.納税者は、その年分の合計所得金額が1,000万円を超える場合、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、配偶者控除の適用を受けることができない。
日本 FP 協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 22年9月
最も「×不適切」な選択肢を選ぶ問題
- 障害者控除は、所得要件がありませんので、「○適切」です。
- 合計所得が2,500万円を超えるひとは、基礎控除の適用を受けられません。
したがって「×不適切」です。 - ひとり親控除、寡婦控除ともに、500万円以下が適用要件となりますので、「○適切」です。
- 配偶者控除は納税者本人の所得が1,000万円以下である要件がありますので、「○適切」です。
今回は、ここまでです。
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