【3分で解説!FP2級】不動産~不動産の有効活用

ファイナンシャルプランナー2級

FP2級を受験する方にとって、不動産の有効活用は重要な試験範囲の一つです。不動産の有効活用に関する6つの主要手法について解説します。それぞれの手法のメリットとデメリットを比較し、どのような状況でどの手法が適しているのかを明確にします。試験対策として、この知識を活用してください。

自己建設方式

概要
土地所有者が自ら資金を調達し、建物を建設し賃貸する方式です。オーナーが全てのリスクと収益を負担します。

メリット

  • 収益性が高い(全ての利益をオーナーが取得)
  • 自由に建物を設計できる

デメリット

  • 初期費用が高額
  • 専門知識が必要
  • リスクが高い

事業受託方式

概要
オーナーが土地を保有しつつ、建設や運営をデベロッパーに委託する方式です。

メリット

  • 専門知識が不要
  • 業務負担が少ない

デメリット

  • デベロッパーに手数料を支払う必要がある
  • 資金は土地所有者が支払う
  • 収益性が低下する可能性がある

土地信託方式

概要
土地を信託銀行に預け、銀行が全てを管理する方式です。オーナーは信託配当を受け取ります。

メリット

  • 資金調達が不要
  • 管理が簡単

デメリット

  • 信託銀行に手数料を支払う必要がある
  • 収益性が低下する可能性がある
  • 信託終了後に所有権が返還されるが、リスクはオーナーが負う

等価交換方式

概要
土地を提供し、建設業者が建物を建設し、その建物の一部をオーナーが受け取る方式です。

メリット

  • 資金調達が不要
  • 業務負担が少ない

デメリット

  • 土地と建物の共有が必要になる
  • 全てを自己所有することはできない

定期借地権方式

概要
土地を一定期間貸し出し、借地人が建物を建設して使用する方式です。

メリット

  • 土地の所有権を保持できる
  • 安定した収入が見込める

デメリット

  • 長期契約で途中解約が難しい
  • 転用や売却が困難

建設協力金方式

概要
テナントから建設協力金を募り、建物を建設する方式です。建設後、テナントに賃貸します。

メリット

  • 自己資金の負担が少ない
  • 建物の所有権を持つことができる

デメリット

  • 権利関係の管理が複雑
  • 協力者を見つけるのが難しい

手法の比較表

手法名土地所有名義建物所有名義建設資金の負担業務の負担
専門知識
自己建設方式所有者所有者多い(全額)高い
事業受託方式所有者所有者多い(全額)不要
土地信託方式信託銀行→所有者信託銀行→所有者不要不要
等価交換方式所有者&デベロッパ所有者&デベロッパ少ない不要
定期借地権方式所有者借地人不要不要
建設協力金方式所有者所有者一部高い

過去問

不動産の有効活用の手法等の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.事業受託方式は、土地有効活用の企画、建設会社の選定、当該土地上に建設された建物の管理・運営および建設資金の調達のすべてをデベロッパーに任せる方式である。

2.建設協力金方式は、建設する建物を借り受ける予定のテナント等から、建設資金の全部または一部を借り受けてビルや店舗等を建設する方式である。

3.等価交換方式では、土地所有者は建物の建設資金を負担する必要はないが、土地の所有権の一部を手放すことにより、当該土地上に建設された建物の全部を取得することができる。

4.定期借地権方式では、土地を一定期間貸し付けることによる地代収入を得ることができ、借地期間中の当該土地上の建物の所有名義は土地所有者となる。

日本 FP 協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 19年1月

最も「○適切」な選択肢を選ぶ問題

  1. 建設資金は土地の所有者が負担しますので、「×不適切」です。
  2. 問題文の通りです。「○適切」です。
  3. 等価交換方式では、土地の所有権、建物の所有権が、共有となりますので、建物の全部を取得できるわけではありません。「×不適切」です。
  4. 定期借地権方式の建物所有権は、借地権者となりますので、土地所有者とはなりません。「×不適切」です。

土地の有効活用の手法の一般的な特徴についてまとめた下表の空欄(ア)~(エ)にあてはまる語句に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本人とは有効活用する土地の所有者のことである。

1.(ア)の空欄には「デベロッパー」があてはまる。

2.(イ)の空欄には「テナント」があてはまる。

3.(ウ)の空欄には「借地人」があてはまる。

4.(エ)の空欄には「なし」があてはまる。

日本 FP 協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 18年5月

最も「○適切」な選択肢を選ぶ問題

  1. 事業受託方式の建物所有名義は、本人です。「×不適切」です。
  2. 建設協力金方式の土地の所有名義は、本人です。「×不適切」です。
  3. 定期借地権方式の、土地の所有名義は、本人です、「×不適切」です。
  4. 定期借地権方式の、建物建設資金は、借地人が負担するので、本人の負担は「なし」です。「○適切」です。

今回は、ここまでです。

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