【3分で解説!FP2級】不動産~都市計画法、開発許可の要不要を整理

ファイナンシャルプランナー2級

不動産の勉強で混乱しがちな都市計画法と開発許可制度について、具体的な区域や用途地域の違いを分かりやすく解説します。この記事を読むことで、都市開発と建築計画に関する基本的な知識をしっかりと身につけましょう。

都市計画法と開発許可制度の解説

都市計画法と建築基準法の違い

都市計画法と建築基準法は、どちらも都市の開発と建物の利用に関する法律ですが、対象とするフェーズが異なります。

法律対象説明
都市計画法街づくりの段階街の全体的な計画、道路や公園の配置など、建物を建てる前の段階を規制
建築基準法建物の建設段階建てる建物の用途や構造、具体的な建築のルールを規制

都市計画区域の種類

都市計画区域は、どのエリアをどのように開発するかを決めるために分類されています。

区域名説明
市街化区域町にするためのエリア。建物を建てることが推奨される
市街化調整区域町にしないエリア。自然を守るため、建物の建設が抑制される
非線引区域明確に指定されていないエリア。どちらでもない場所
準都市計画区域都市計画区域外だが、土地の利用をある程度規制するエリア。典型例としてインターチェンジ周辺

用途地域の種類

用途地域は、市街化区域内で建物の用途を制限するために設定されます。これにより、地域の特性に応じた開発が進められます。13の種類が決められています。

用途地域の種類説明
住居系住環境を優先するエリア。例えば、準住居地域、第一種住居地域など
商業系商業活動を優先するエリア。例えば、近隣商業地域、商業地域
工業系工業活動を優先するエリア。例えば、準工業地域、工業地域、工業専用地域

開発許可制度

開発行為を行うには、都道府県知事の許可が必要です。これは、建築物の建築を目的とし、土地の区画形質の変更を伴う場合に適用されます。

区域名許可を要する面積
市街化区域1,000㎡以上
※三大都市圏の市街化区域は500㎡以上
非線引区域、準都市計画区域3,000㎡以上
その他の区域10,000㎡以上
市街化調整区域規模にかかわらず許可が必要

開発許可が不要なケース

開発許可が不要なケースもいくつかあります。

  1. 市街化区域以外での農林業用建築物や農林漁業従事者の居住用建物
  2. 都市計画事業、土地区画整理事業、市街地再開発事業などの公的な開発行為
  3. 駅舎、図書館、変電所などの広域公共施設の建築物

過去問

都市計画法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.都市計画区域内において、用途地域が定められている区域については、防火地域または準防火地域のいずれかを定めなければならない。

2.市街化区域については用途地域を定め、市街化調整区域については原則として用途地域を定めないものとされている。

3.市街化区域は、すでに市街地を形成している区域およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とされている。

4.三大都市圏の一定の区域や一定の大都市の都市計画区域においては、都市計画に市街化区域と市街化調整区域との区分を定めるものとされている。

日本 FP 協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 21年9月

最も「×不適切」な選択肢を選ぶ問題

  1. 用途地域と防火地域や準防火地域は、必ずしも繋がりがあるものではありませんので、「×不適切」です。用途地域設定されていても防火地域設定されていない地域もありますし、その逆に、用途地域設定されていない防火地域もあるということです。
  2. 市街化区域は用途地域が定められます。市街化調整区域は、用途地域を定められません。したがって記載は「○適切」です。
  3. 市街化区域は、市街地にしたい区域なので、記載は「○適切」です。
  4. 三大都市圏や大都市においては、市街化区域と市街化調整区域の区分が必要です。「○適切」です。

都市計画法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.都市計画区域内において、用途地域が定められている区域については、防火地域または準防火地域のいずれかを定めなくてはならない。

2.都市計画法の規定によれば、市街化調整区域は、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とされている。

3.分筆は、その行為が建築物の建築または特定工作物の建設を目的としていなくても、都市計画法上の開発行為に該当する。

4.土地区画整理事業の施行として行う開発行為には、都道府県知事等の許可を必要としない。

日本 FP 協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 18年9月

最も「○適切」な選択肢を選ぶ問題

  1. 用途地域内に、防火地域および準防火地域を設けるのは、任意であり義務でありません。したがって「×不適切」です。
  2. 市街化調整区域は、市街地にしたくない区域なので、設問は逆のことを言っています。「×不適切」です。
  3. 開発行為は、土地の区画整備など、土地に手が入ることを指します。分筆とは登記上の手続きのことであるので、書類上のことで開発行為には当たりません。「×不適切」です。
  4. 土地区画整理事業など公の開発行為は、都道府県知事の許可は必要としないので「○適切」です。

おおやけの開発行為は、都道府県が行うものと考えると、許可が不要というのはイメージできますね

今回は、ここまでです。

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