【3分で解説!FP2級】ライフプランニングと資金計画 年金 在職老齢年金と離婚時の年金分割制度

ファイナンシャルプランナー2級
  • 離婚時の年金分割制度について、正しく理解していますか?
  • 在職老齢年金が損になるケースをご存じですか?

FP2級資格取得を目指している皆さん、このブログでは、離婚時の年金分割制度や在職老齢年金のポイントについて詳しく解説していきます。年金制度の複雑さを解きほぐし、過去問を通して理解を深めていきましょう。資格取得の勉強に役立つ情報を提供していきますので、ぜひご活用ください。

在職老齢年金

在職老齢年金とは、60歳以降に厚生年金の被保険者として働きながら受給する年金制度です。老齢厚生年金の基本月額総報酬月額相当額に応じて、年金の全部または一部が支給停止となります。

基本月額はその月にもらう年金額のこと、総報酬月額相当額は直近の「ボーナスを加味した」その月の月収です。

厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受けている65歳以上70歳未満の方が、基準日の9月1日において被保険者であるときは、翌月の10月分の年金額から見直されます。これを「在職定時改定」といいます。

支給停止の仕組み

  • 総報酬月額相当額 + 基本月額50万円以下の場合: 全額支給
  • 総報酬月額相当額 + 基本月額50万円超の場合:
    • 支給停止額 = (総報酬月額相当額 + 基本月額 – 50万円) × 1/2
  • 支給停止額年金額 を超える場合は全額支給停止となります。
  • 年金が全額支給停止 になったときは、加給年金も支給停止となります。

離婚時の年金分割制度

結婚していた時期の厚生年金は、妻にも一部厚生年金がもらえる制度です。

  • 分割の対象:報酬比例部分のみ(基礎年金は分割されない)
  • 請求期間:離婚日の翌日から2年以内
  • 分割方法
    • 合意分割:夫婦合意の上で分割する方法。合意できない場合は、裁判所が按分割合を決める
      • 分割対象期間:婚姻期間内
    • 3号分割:第3号被保険者の請求によって、当事者の合意なしでも分割できる方法。
      • 按分割合:1/2
      • 分割対象期間2008年4月以降の婚姻期間に限られる

年金で、「2年」はよく出てくる期間です

過去問

厚生年金保険における離婚時の年金分割制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、「離婚等をした場合における特例」による標準報酬の改定を合意分割といい、「被扶養配偶者である期間についての特例」による標準報酬の改定を3号分割という。

1.合意分割および3号分割の請求期限は、原則として、離婚等をした日の翌日から起算して2年以内である。

2.合意分割は、離婚等をした当事者間において、標準報酬の改定または決定の請求をすることおよび請求すべき按分割合についての合意が得られない限り、請求することができない。

3.3号分割の対象となるのは、2008年4月1日以降の国民年金の第3号被 保険者であった期間における、当該第3号被保険者の配偶者に係る厚生年金保険の保険料納付記録(標準報酬月額・標準賞与額)である。

4.老齢厚生年金を受給している者について、3号分割により標準報酬の改定または決定が行われた場合、3号分割の請求をした日の属する月の翌月から年金額が改定される。

日本 FP 協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 23年9月

最も「×不適切」な選択肢を選ぶ問題

  1. 2年以内は「○適切」です。
  2. 合意が得られない限り、永遠に請求することができないということはなく、裁判所が按分を決めることになりますので、「×不適切」です。
  3. 2008年4月以降という点で、「○適切」です。
  4. 具体的な規定について、テキストに書かれていないことが多いですが、年金は2ヶ月に一度支給されるので、「○適切」と考えられます。2が明らかに「×不適切」なので、消去法で正解を導き出せるかもしれません。

在職老齢年金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.在職老齢年金の仕組みにおいて、支給停止調整額は、受給権者が65歳未満の場合と65歳以上の場合とでは異なっている。

2.在職老齢年金の仕組みにより老齢厚生年金の全部が支給停止される場合、老齢基礎年金の支給も停止される。

3.65歳以上70歳未満の厚生年金保険の被保険者が受給している老齢厚生年金の年金額は、毎年9月1日を基準日として再計算され、その翌月から改定される。

4.厚生年金保険の被保険者が、70歳で被保険者資格を喪失した後も引き続き厚生年金保険の適用事業所に在職する場合、総報酬月額相当額および基本月額の合計額にかかわらず、在職老齢年金の仕組みにより老齢厚生年金が支給停止となることはない。

日本 FP 協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験 24年1月

最も「○適切」な選択肢を選ぶ問題

  1. 以前は、65歳を境に変わっていたようですが、現在は、一律同じ計算式となっていますので、「×不適切」です。
  2. 老齢基礎年金については、触れられていないので、「×不適切」です。
  3. 65歳以上で厚生年金をもらいながら働いている人の年金額は、毎年9月1日を基準日としますので、「○適切」です。こちらについては、テキストなどに書かれていないことが多いので、見落としがちな条件です。
  4. 70歳以上でも、たくさん稼ぎのある人は、この仕組みが適用されますので、「×不適切」です。

今回は、ここまでです。

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